インボイス制度が開始してから1年が経ち、多くの個人事業主の方から
「日々の請求書発行は慣れてきたけれど、年末の処理が不安…」
という声が増えています。
特に12月は、
- 売上の締め
- 経費処理の最終確認
- 来年の事業計画
- 税務の判断(課税か免税か)
など、多くの判断が一気に重なる時期です。
そのため、インボイス制度に関するトラブルが最も増える季節でもあります。
本コラムでは、年末に押さえておくべきインボイスの注意点を、「個人事業主」の立場に絞って詳しく解説します。
1. 冬にトラブルが増えるのは「請求書のタイミング」が原因
インボイス制度では、請求書の発行日・作業日・入金日がズレると、課税期間や処理方法が変わることがあります。
特に12月〜1月に増えるのは次のケースです。
◎ ケース①:12月に請求書を出したが、作業は翌年
例えば、
・撮影やデザインなど「12月に発注 → 実際の納品は1月」
・打ち合わせのみ12月、作業は翌年
といったケースは非常に多いです。
この場合、どの年度の売上に入れるかがあいまいになり、
経理処理のミスや税務調査での指摘につながる可能性があります。
◎ ケース②:「インボイス番号がないと困る」と取引先から急に言われる
12月は多くの企業が経理締めに入り、
「この請求書、インボイスじゃないと経費に入れられない」
という連絡が来ることがあります。
免税事業主のまま仕事をしていた個人事業主は、
この時期に 課税事業者への転換が必要か検討するケースが急増 します。
◎ ケース③:年末の繁忙期で記載漏れが発生
・インボイス番号(T+13桁)
・適格請求書の必要項目
・消費税額の計算
などが抜けてしまうと、修正依頼が何本も続き、事務負担が大きくなります。
2. 年末までに必ず確認したい「インボイスの3つのポイント」
個人事業主が年末に見直すべきは、以下の3点です。
【1】 インボイス登録番号の記載漏れがないか
特に、
- テンプレートの古い請求書をそのまま使っている
- スマホで簡易的に請求書を作っている
- 年に1〜2回しか取引しない相手がいる
といった場合、記載漏れが起こりがちです。
【2】 自分の現在の立場
「課税事業者か、免税事業者か」
これを正確に理解していない人は意外と多いです。
また、今年は免税だった人も、
売上が伸びてきた場合は、来年の運用方針を見直す時期です。
【3】 来年も免税でいた方がいいのか?課税の方がいいのか?
個人事業主の場合、
「インボイス登録をしない=免税を続ける」
という判断も可能ですが、
- 取引先を失う恐れ
- 単価が下がる可能性
- 仕事の紹介が減る
- 消費税分が値引き扱いになる
といった実務上の問題が増えています。
一方、課税事業者になると、消費税の納付が必要になるなどの負担が増えるため、
どちらが得かは事業の実態によって大きく変わります。
3. 12月は「インボイス × 確定申告準備」が重なる要注意時期
個人事業主にとって12月〜翌年2月は、
・売上の確定
・必要経費の集計
・控除の判定
・所得税・住民税の見通し
まで一気に判断しなければなりません。
ここにインボイスの処理が重なるため、
誤った判断がそのまま確定申告に直結する 時期です。
4. 木村稔会計事務所ができるサポート
個人事業主の方からは、特に次の相談が増えています。
◎ 「インボイス登録した方が良いのか迷っている」
◎ 「免税事業者のままで問題ない?」
◎ 「年末の売上処理が正しいか不安」
◎ 「確定申告まで全部お願いしたい」
木村稔会計事務所では、
個人事業主に寄り添った実務サポートをご提供しています。
▼ 当事務所のサポート内容
✔ 適格請求書のチェック・修正
✔ インボイス登録の判断サポート
✔ 売上・経費計上の適正化
✔ 免税・課税の比較シミュレーション
✔ 会計ソフトの設定
✔ 確定申告の代行まで一括対応
「制度が複雑で何をどうしたら良いか分からない」という方でも、
一緒に整理しながら進めていくので安心していただけます。
5. まとめ:12月はインボイスを“後回しにしない”ことが大切
特に12月は、
- バタバタする
- 仕事が立て込みやすい
- 集中力が切れやすい
- 請求作業が雑になりがち
という条件が重なるため、インボイス制度のミスが増える時期です。
早めの確認が、
翌年の確定申告・取引先との関係・キャッシュフローの改善につながります。




