決算対策の正しい考え方とは?
「決算対策」と聞くと、「会社の利益を減らして税金を安くすること」だと考えていませんか? しかし、闇雲に支出を増やしても、本当に必要なものがなければお金は減るばかりです。
かつては、高額な全損型保険に加入することで、一気に多額の経費を計上するようなインパクトの大きい節税手法も存在しました。しかし、税制改正や規制強化により、こうした効果的な方法は現在ではほとんど使えなくなっています。
たとえば、現在多くの保険商品は、保険料のうち損金として計上できるのは40%にとどまり、残り60%は資産として扱われます。これでは、決算対策としての効果は限定的です。
最も重要なのは、会社の経営を安定させることです。無理な節税策でお金を使い切ってしまうのではなく、手元にキャッシュを残すという視点が不可欠です。
決算対策でまず検討すべきポイント
決算対策は、決算月に入ってからでは遅すぎます。事前に計画を立て、以下のポイントをチェックすることから始めましょう。
1. お金の支出を伴わない対策
決算対策の理想は、お金を減らすことなく実施できるものです。まずは貸借対照表(バランスシート)を見直し、以下の項目に該当するものがないか確認しましょう。
- 使わなくなった資産の処分 使用予定のない固定資産を廃棄することで、帳簿価額分を損金として計上できる場合があります。
- 含み損を抱えた有価証券の売却 評価損が出ている有価証券を売却すれば、売却損を計上できます。
- 回収不能な売掛金の処理 回収の見込みがない売掛金は、債権放棄することで経費にできる可能性があります。ただし、貸倒処理には厳格な要件があるので注意が必要です。
2. お金の支出を伴う対策
次に、お金を使って行う決算対策です。ただし、「節税のためだけ」に不要な支出をすることは絶対に避けましょう。必要なものを購入したり、将来に役立つ投資をしたりする視点が大切です。
- 中小企業倒産防止共済制度への加入 1年分の掛金(最大240万円)を前払いでき、全額を損金に算入できます。
- 決算賞与の支給 従業員への還元はモチベーション向上にもつながります。ただし、期末までに支給額を通知し、実際に支払うことが要件となります。
- 消耗品の購入 必要な備品や消耗品をまとめ買いすることで経費にできます。ただし、過剰な購入は「貯蔵品」として資産計上を求められる場合があるため注意が必要です。
決算対策のその先へ:利益を従業員へ投資する考え方
決算で利益が出たとしても、それは決して悪いことではありません。手元にキャッシュが残ることで、会社の財務基盤が強化されます。税金を支払ってでも、手元に多くのお金を残すことが、会社の継続的な成長につながります。
最近では、余剰資金を従業員へ投資し、会社の未来を築く決算対策も注目されています。その一つが企業型確定拠出年金(日本版401k)です。
企業型確定拠出年金のメリット
企業型確定拠出年金は、会社と従業員の双方にメリットをもたらします。
- 会社側のメリット
- 拠出金が全額損金になり、法人税や社会保険料の負担が軽減されます。
- 福利厚生の充実により、従業員の定着率向上や採用力アップにつながります。
- 従業員側のメリット
- 会社からの拠出金に税金や社会保険料がかかりません。
- 運用益が非課税となるため、効率的に老後資金を準備できます。
退職金制度のない会社や、既存の退職金制度を見直したい会社にとっても、企業型確定拠出年金は非常に有効な選択肢です。
決算対策でお悩みなら木村会計事務所にご相談ください
決算対策は単なる税金計算ではありません。会社の未来を見据えた経営判断そのものです。無理な節税策に走ると、かえって資金繰りを悪化させたり、翌期以降の経営に悪影響を及ぼしたりするリスクがあります。
木村会計事務所では、会社の財務状況を正確に分析し、お客様の経営方針に合わせた最適な決算対策をご提案します。「手元に現金を残し、会社を強くする」という視点に立ったサポートを徹底していますので、決算対策でお悩みの際は、ぜひ一度ご相談ください。