未成年の子供でも取締役になれる?
「将来を担う我が子に会社を継がせたい」という親の想いから、未成年のお子さんを役員にするご相談が増えています。
会社法では、犯罪歴などの欠格事由に未成年は含まれていません。したがって、法律上は未成年者でも取締役になることは可能です。しかし、実際の手続きには注意が必要です。
木村会計事務所では、未成年者の役員就任に関する法務・税務両面からのサポートを提供しています。
役員就任に必要な「印鑑証明書」の壁
取締役の就任登記には印鑑証明書が必要となります。しかし、市区町村で印鑑登録ができるのは15歳以上。このため、15歳未満の未成年者は原則として印鑑証明書を取得できません。
ただし、取締役会設置会社では、代表取締役以外の取締役の印鑑証明書提出は不要となるため、15歳未満でも取締役になることが可能になるケースもあります。また、取締役会がなくても監査役であれば、印鑑証明書なしで就任できます。
いずれにせよ、就任には実務上の制約があることを理解しておく必要があります。
役員報酬は税務署に認められる?
未成年者が取締役に就任できたとしても、役員報酬を支払う際に税務上の問題が生じることがあります。10歳や12歳のお子さんが、実質的に取締役としての業務を適切に遂行できるかは疑問視されがちです。
不当な節税と判断されると、役員報酬が親への給与とみなされ、税務署から否認されるリスクがあります。役員報酬の支払いが適正だと認められるためには、実際に役員としての業務を担えるかどうかを検討し、適切な額を設定することが重要です。
未成年の会社承継は専門家へ相談を
未成年者を取締役にすること自体は、法律上可能ですが、実務や税務の面ではさまざまなハードルが存在します。特に、印鑑証明書や役員報酬の適正な取り扱いを誤ると、後々のトラブルに発展する可能性があります。
木村会計事務所では、会社の状況に合わせて最適な承継方法を提案し、法務・税務両面から円滑な会社承継をサポートします。