多くの企業が悩む資金繰り悪化の「会計面」からの理由
多くの経営者が「売上はあるのにお金が残らない」という資金繰りの悩みを抱えています。これは、会計上の利益と実際の現金の流れ(キャッシュフロー)が一致しないために起こります。
木村会計事務所が分析する、資金繰りが悪化する主な会計面からの理由は以下の4つです。
- 事業が赤字である:利益が出ていない
- 運転資金差がマイナスである:入金よりも先に支払いが発生している
- 借入の返済額が大きい:利益が返済を上回れていない
- お金の流れが見えていない:自社の数字を把握できていない
資金繰り悪化の原因と具体的な改善策
1. 事業が赤字である場合:必須の事業改善
会社全体の利益(営業利益や経常利益)が赤字であれば、根本的な事業改善が必須です。
事業改善は、闇雲に行うのではなく、現状の損益計算書(PL)を以下の4つの観点から分析し、現実的に達成可能な目標値を設定して改善していきます。
- 売上: 「単価 × 数量」に分解し、どちらを伸ばすか。
- 原価: 仕入れコストや外注費の削減余地。
- 固定費: 人件費、家賃、広告費などの見直し。
ポイントは、現実的に改善できる小さなポイントを積み重ねて、目標利益の達成を目指すことです。
2. 運転資金差がマイナスである場合:取引条件の見直し
運転資金差がマイナスとは、売上の入金よりも先に、仕入れや外注代金の支払いが発生している状態を指します(例:売上は翌々月末入金、仕入れは翌月末支払い)。この「時間差」により、入金前に手元の現金が減り、資金繰りが悪化します。
改善策は2つです。
- 取引条件の見直し: 仕入れや外注代金の支払いを、売上の入金日と同日以降にずらすよう交渉する。
- 資金調達: 運転資金差がマイナスでも耐えられるよう、金融機関からの借入などで十分な資金を事前に確保する。
3. 借入の返済額が大きい場合:利益と返済額のズレを把握
「利益が出ているはずなのにお金が残らない」という会社に最も多い原因がこれです。
- 会計上の利益は、毎月の借入返済額(元本)を経費に含みません。
- 例えば、利益が10万円でも、毎月の借入返済が15万円あれば、実際の手元資金は毎月5万円ずつ減っていきます。
つまり、会計上の利益(税引後利益)が、借入の年間返済総額を上回っているかを考慮に入れて、会社の本当の資金力を把握することが重要です。この利益と資金のズレを生む科目を把握し、総合的に改善を進めましょう。
4. お金の流れが見えていない場合:月次試算表の作成
資金繰り悪化の根本的な原因として、そもそも自社の数字の把握ができていないというケースがあります。
まず行うべきは、毎月自社の数字が分かる「月次の試算表」を作成できている状態にすることです。
試算表ができていれば、資金繰り悪化の原因が上記の1〜3のどこに当てはまっているかを特定できます。原因が分かれば、適切な改善策を講じることで、資金繰りの改善は必ず可能となります。
木村会計事務所では、資金繰りにお悩みの個人事業主から法人まで幅広くお手伝いしております。初回面談0円でご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。




