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2025/05/18

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個人事業主の悩みを解決!経費になる?ならない?徹底解説

「これって経費になるの?」

個人事業主なら誰もが一度は頭を悩ませるこの疑問。

 

この記事では、経費の基本から具体的な判断基準、よくある質問、そして税務調査で注意すべきポイントまで、あなたのモヤモヤを解消します!

 

 

経費計上の基本:なぜ「経費で落とす」ことが節税のカギとなるのか

個人事業主にとって、経費の計上は賢く節税するための重要な手段です。事業に必要な支出を経費として計上することで、課税対象となる所得(利益)を圧縮できるからです。たとえば、

 

  • 売上:100万円
  • 経費:30万円
  • 利益:70万円

 

この場合、70万円に対して税金がかかります。しかし、もし経費として認められる支出が80万円あったとしたらどうでしょうか?

 

  • 売上:100万円
  • 経費:80万円
  • 利益:20万円

 

利益が20万円に減ることで、支払う税金も大幅に変わってきます。だからこそ、「何が経費として認められるのか」を正しく理解することが、個人事業主にとって非常に大切なのです。

 

 

迷わない!経費になるかの判断基準はこの2つ

法律で細かく「これは経費です」「これは経費ではありません」と詳細に項目があり、説明がされているわけではありません。経費として認められるかどうかは、主に以下の2つの視点で判断されます。

 

  1. 事業との関連性があるか?
  2. 収益の増加・維持に貢献しているか?

 

この2つの基準を満たす支出であれば、基本的に経費として認められる可能性が高いと言えます。

 

しかし、実際には判断に迷うグレーゾーンのケースも少なくありません。そこで、個人事業主の皆さまからよく寄せられる「経費の線引き」に関する疑問について、具体的なQ&A形式で解説していきます。

 

 

個人事業主が気になる「経費の線引き」Q&A

 

Q1:一人で食べた食事代は経費になりますか?
A1:原則として経費にはなりません。

 

食事は個人的な支出とみなされることが一般的です。しかし、業務上の打ち合わせなど、明確な事業目的がある場合は、その内容を具体的に説明できれば経費として認められる可能性もあります。

ただし、「単にお腹が空いたから」といった理由は認められません。
※会食などの場合、紙の領収書をいただいたのであれば、「◯◯会社・△△様、◆◆様 2名」と記載されるといいです。

 


 

Q2:旅行費用は経費になりますか?
A2:プライベートな旅行は経費になりません。

 

一方で、出張、事業に関する視察、セミナーや研修への参加など、明確な事業目的のある移動や宿泊費は経費として認められます。ただし、レジャーの要素が強いと判断される場合は経費として認められないため、旅行の計画書や記録をしっかりと残しておくことが重要です。

 


 

Q3:仕事で使う衣装や美容代は経費になりますか?
A3:業種によって判断が異なります。

 

例えば、アナウンサーやインフルエンサーのように、外見が直接的に事業の成果に影響する職種の場合、業務で使用する衣装代や美容院代が経費として認められることがあります。

また、同じく商品の紹介など職種として必要なものであれば認められる場合もあります。しかし、一般的な衣類や個人的な目的の美容院代は、ほとんどの場合経費として認められません。

 


 

Q4:自宅の町内会費は経費になりますか?
A4:自宅部分の町内会費は経費になりません。オフィス部分のみが対象となる可能性があります。

 

自宅兼事務所として使用している場合の町内会費は、基本的に経費として計上できません。しかし、事業のために独立したオフィスを借りており、そのオフィスの所在地における町内会費であれば、経費として認められるケースがあります。


税務調査でチェックされやすいレシートの特徴とは?

税務調査では、以下のような「不自然なレシート」は特に注意深くチェックされる傾向があります。

 

  • お子様メニューや複数人分の食事が含まれている(家族との飲食ではないかと疑われる)
  • 土日や年末年始など、通常業務が行われないはずの日に高額な支出が集中している
  • 食事の人数が家族構成と一致していることが多い
  • 自宅近所の飲食店での利用頻度が高い

 

これらのレシートがあったとしても、直ちに経費として否認されるわけではありません。

しかし、「事業に関わる支出である」という明確な説明ができない場合は、経費として認められない可能性が高くなります。
「説明できないものは経費にしない」という意識を持つことが重要です。


まとめ:経費で迷ったら「説明できるかどうか」が判断のポイント!

経費として計上すべきかどうか迷ったときは、以下の2つの問いを自分自身に投げかけてみてください。

 

  1. その支出は、事業を行う上で本当に必要なものか?
  2. その理由を誰にでも明確に説明できるか?

 

もし少しでも後ろめたい気持ちがあるなら、経費として計上しないという判断も大切です。

 

また、税務署との不要なトラブルを避けるためにも、判断に迷う場合は早めに税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
木村稔会計事務所も、皆様の経理に関する不安や疑問に丁寧に対応いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。