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2025/05/20

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【個人事業主の法人化】売上800万超で後悔?売上目安で判断すると後悔する!?

【個人事業主必見】売上800万円超えたら法人化?墨田区の税理士が税金面から徹底解説

今回は、個人事業主の皆様からよくいただくご質問「売上がいくらになったら法人化を検討すべきですか?」というテーマについて、税金の観点から、わかりやすく解説したいと思います。

法人化検討の目安は「売上」より「利益」!年800万円超が目安となる理由

法人化を検討する目安として一般的に言われるのは、「売上」よりも「利益」です。個人事業で利益が年間800万円を超えてきたあたりが、法人化を検討する一つの目安となると言われています。

なぜ、売上ではなく利益が重要なのでしょうか? それは、この利益水準を超えると、個人の所得税率が上がり、法人税率と比較して税負担が大きくなる可能性があるからです。

所得税・住民税と法人税の違いを解説|個人事業主が知っておくべき税率

個人事業主の場合、所得に対して所得税と住民税が課税されます。所得税率は、所得金額に応じて5%から最高45%まで段階的に上がる累進課税です。一方、住民税率は、所得に関わらず原則として10%です。

所得金額が800万円を超えると、所得税と住民税を合わせた税率は約43%以上となり、所得が増えるほど税負担は重くなります。一方、法人化した場合に課税されるのは、主に法人税、地方法人税、そして事業税などです。

これらの税率を合計した法人税等の実効税率は、高くても約35%程度であり、所得税のような累進課税の仕組みはありません。

単純に税率を比較すると、利益が800万円を超えたあたりから、法人の方が税負担を抑えられる可能性があると言えるのです。

税金だけじゃない!法人化(法人成り)のメリットとは?

法人化(法人成りとも呼ばれます)には、税金面以外にもいくつかの重要なメリットがあります。

  • 信用度の向上: 株式会社などの法人格を持つことで、取引先や金融機関からの信用が高まることが期待できます。これは、事業拡大において大きなアドバンテージとなります。
  • 資金調達の優位性: 金融機関からの融資や、国や自治体の支援金などにおいて、個人事業主よりも有利な条件で資金調達できる場合があります。近年では、感染症関連の支援金などで、法人の方がより手厚い支援を受けられる傾向も見られました。
  • 事業承継の円滑化: 将来的に事業を承継する際、法人の方がスムーズに進めやすい場合があります。

法人化のデメリットと注意点|個人事業主が考慮すべき点

もちろん、法人化にはデメリットや注意点も存在します。

  • 税務申告の複雑化: 法人税の申告書の作成は、個人の確定申告に比べて非常に複雑で、専門知識が求められます。そのため、税理士のサポートがほぼ必須となり、時間とコストがかかる可能性があります。
  • 複式簿記の導入: 法人では、原則として複式簿記での記帳が必要になります。これは専門知識を要しますが、会計ソフトなどを活用することで負担を軽減できます。
  • 設立・維持コストの発生: 法人を設立するには登録免許税などの費用がかかり、設立後も法人住民税の均等割など、維持するためのコストが発生します。

まとめ|墨田区で法人化を検討するなら利益800万円が目安。まずは専門家にご相談を

個人事業主の皆様が法人化を検討するタイミングとしては、安定的に800万円程度の利益が出るようになってきた場合、税金面でのメリットが見込めるため、一つの目安となります。

しかし、法人化のメリット・デメリットは、個々の事業の状況によって大きく異なります。法人化をご検討の際は、ぜひ一度、木村稔会計事務所にご相談ください。

お客様の事業の状況を詳しくお伺いし、税金面だけでなく、資金調達や信用力向上など、総合的な視点から最適なアドバイスをさせていただきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。季節の変わり目ですので、皆様どうぞご自愛ください。