本文会社設立や事業開始時、誰もが直面する「会計入力をどうするか」という問題。コストを抑えたい気持ちと、正確性や効率を求める気持ちの間で悩む方も多いでしょう。
税理士に依頼すれば「記帳代行」として別料金が発生することがほとんどですが、会計未経験の方でも自力での記帳を選ぶケースは少なくありません。
今回は、会計入力を自分で行う場合と税理士に依頼する場合、それぞれのメリットを比較し、あなたのビジネスに最適な選択肢を見つけるヒントを提供します。
自分で会計入力を行うメリット
コスト削減で事業のスタートダッシュを応援
最大のメリットはコストの削減です。特に事業を立ち上げたばかりで、少しでも出費を抑えたい時期には大きな助けとなります。記帳代行費用がかからない分、他の必要な経費に回したり、運転資金に充てたりすることが可能です。
経営に直結する会計知識を習得
会計を自分で行うことで、経営と会計の密接な関係を肌で感じることができます。数字がどのように処理され、集計されていくかを実務を通して学ぶことは、経営者としてのスキルアップに繋がり、事業の全体像をより深く理解できるようになります。
事業状況をリアルタイムで把握
自ら入力を行うことで、事業の現状をタイムリーに把握できます。売上や経費の状況がすぐに分かるため、目の前の経営判断に役立てたり、今後の戦略を練ったりする上で非常に有利です。
税理士に会計入力を依頼するメリット
本業に集中できる時間確保
経理事務作業を税理士にアウトソーシングすることで、その分の作業時間を大幅に削減できます。削減された時間を営業活動や組織拡大、新サービスの開発など、本業に集中する時間に充てられるため、事業成長を加速させることに繋がります。
正確な会計処理で安心経営
税法に則った適切で正確な会計処理が行われるため、ミスの不安がなくなります。専門家による処理は信頼性が高く、その適正な数字に基づいて経営判断を行えるため、安心して事業を運営できます。
専門家のアドバイスで経営を強化
多くの場合、記帳代行だけでなく税務に関するアドバイスや節税対策の提案も受けられます。これにより、より戦略的な経営が可能となり、事業の安定と成長に貢献します。
会計入力を自分でやるか、税理士に依頼するかの判断基準
会計入力を自分で行うか、税理士に依頼するかに「正解」はありません。あなたの事業の状況や、会計に対する考え方によって最適な選択は異なります。上記のメリットを比較検討し、ご自身の状況に照らし合わせてみてください。あえて判断基準を設けるなら、以下のような方が自分で記帳するのに向いています。
- 経理の経験があり、事務作業が苦にならない方。数字が大好きな方。
- 営業活動や事業拡大のための活動が現状不要で、時間に余裕がある方。
- 会計について深く学びたい、経営に直結する数字を自分で管理したい方。
逆に、以下のような方は税理士に任せることを検討してみるのが良いでしょう。
- 事業拡大や売上確保のために、時間を最大限に使いたい方。
- 経理が未経験で、事務作業に苦手意識がある方。
- 常に正確で適正な会計処理を求め、ミスの不安をなくしたい方。
例えば、もしあなたが1時間あたり5,000円を稼ぐことができるとして、経理やそれに付随する作業に毎月3時間費やしているとします。
この場合、月に15,000円までなら記帳代行費用を支払っても、時間単価で考えると損益分岐点となります。もしこの3時間の事務作業がストレスに感じるのであれば、金額以上のメリットがあると言えるでしょう。
一方、お金の計算が大好きだったり、領収書の整理をしたり小まめに数字を追いかける作業が楽しい方はご自身でされる方が良いかもしれません。その作業そのものが、あなたのストレス解消になっている場合があるからです。
最終的には、どのようなサービスを提供してくれる税理士なのかも含めて、複数の方に相談してみることをお勧めします。ご自身の志向や事業計画と照らし合わせ、最適な選択をしてください。
木村稔会計事務所も無料相談があります。お気軽にお問い合わせください