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2025/08/19

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国税局の査察調査(マルサ)とは?税務調査との違い、対応、事例まで徹底解説

国税局の査察調査(マルサ)とは?

テレビなどで「マルサ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。マルサとは、正式には国税局査察部のことで、悪質かつ重大な脱税を摘発し、刑事告発を目的とする強制調査を行う専門チームです。

通常の税務調査と査察調査には、以下のような明確な違いがあります。

税務調査査察調査
管轄税務署国税局査察部(通称:マルサ)
目的申告内容の確認と是正悪質な脱税の摘発と刑事告発
根拠法国税通則法(任意調査)国税犯則取締法(強制調査)
事前通知ありなし
強制力任意(提示要求のみ)強制(裁判所の令状に基づく押収)
ペナルティ追徴課税(加算税、延滞税など)追徴課税+刑事罰(懲役・罰金)

査察調査はなぜ行われるのか?

査察調査は、意図的・組織的な脱税行為を取り締まるために行われます。脱税額が数千万円から億単位になるケースが一般的です。また、「脱税すれば厳しい罰則がある」という警鐘を鳴らし、健全な納税制度を守る役割も担っています。

査察調査で特に見られるポイント

査察調査では、脱税の証拠を掴むためにあらゆる情報が徹底的に調べられます。具体的には、以下の点が重点的にチェックされます。

1. 隠蔽された売上や架空経費

架空の取引や売上の未計上、実態のない経費(コンサルティング費用など)の計上など、帳簿の不正操作が調べられます。

2. 国際取引を利用した脱税

海外法人を利用した所得隠しや、タックスヘイブンを利用した租税回避スキームがないかなど、国際的な資金の流れも厳しく追跡されます。

3. 電子データの解析

会計ソフトのデータ、メール、チャット履歴、クラウドストレージなども詳細に解析されます。データの改ざんや削除の痕跡がないか、脱税の指示や相談の記録がないかなどが調べられます。

査察調査に入られた場合の対応方法

突然、国税局査察部の調査官がやってきたら、冷静に対応することが何よりも重要です。

1. 冷静に対応し、無用な発言を避ける

感情的になったり、慌てて証拠隠滅を図ったりすることは、かえって不利になります。質問には軽率に答えず、「確認してから回答する」と伝えるなど、慎重な対応を心がけましょう。

2. 物理的な妨害をしない

査察調査は強制調査です。捜索や差押えを物理的に妨害すると、刑罰の対象となる可能性があります。

3. 早急に専門家へ相談

査察調査が入ったその日のうちに、査察調査に強い税理士弁護士に連絡を取りましょう。国税局OBの税理士など、査察調査の手法を熟知した専門家と連携することで、今後の対応方針を戦略的に立てることが可能です。

査察調査を受けないための対策

査察調査の対象とならないためには、日頃からの適切な税務管理が不可欠です。

1. 適正な申告と納税

売上や経費を正確に計上し、消費税や源泉所得税の納付を遅延なく行うことが最も重要です。架空取引や過少申告は絶対に避けましょう。

2. 帳簿や領収書の適切な管理

帳簿や領収書は法律で定められた期間(原則7年間)しっかりと保存しましょう。現金取引を減らし、銀行振込や電子決済を利用して取引履歴を透明化することも効果的です。

3. 定期的な専門家によるチェック

自己判断でグレーゾーンの処理を行うことは非常に危険です。定期的に税理士に相談し、専門家の目で税務処理の適正性を確認してもらいましょう。

査察調査の不安は木村会計事務所にご相談ください

国税局の査察調査は、一度入られると約7割の確率で検察に告発されるほどの厳しい調査です。対応を誤ると刑事罰に発展するリスクも伴います。

木村会計事務所では、税務調査だけでなく、査察調査についても豊富な知見を持つ専門家が対応いたします。お客様の状況を正確に把握し、最善の対策とサポートを提供しますので、ご不安な方はぜひ一度ご相談ください。