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2025/10/10

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年末調整と確定申告の違いを徹底解説!対象者・手続き・還付の仕組みをわかりやすく整理

年末調整とは?会社員のための税金精算システム

年末調整は、給与所得者(会社員やアルバイトなど)を対象に、勤務先が代わりに行ってくれる税金の精算手続きです。毎年12月頃から翌年1月にかけて実施されます。

毎月の源泉徴収は「仮の税額」

毎月の給与から天引きされている所得税(源泉徴収税額)は、あくまで概算の仮の金額です。この仮の税額と、1年間の正確な給与総額、そして扶養家族の状況や各種保険料の支払い(生命保険料控除、地震保険料控除など)を反映して、本来納めるべき税額との差額を調整するのが年末調整の役割です。

年末調整で税金が戻る(還付)主なケース

  • 各種控除の適用: 生命保険や地震保険に加入している場合。
  • 住宅ローン控除: 2年目以降の控除。
  • iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金を支払っている場合。

確定申告とは?すべての人を対象とした所得の申告手続き

確定申告は、自分自身で1年間のすべての所得と税金を計算し、税務署に申告・納税する手続きです。申告期限は毎年3月15日頃(前年分)です。

確定申告は、給与所得だけでなく、事業収入や不動産収入などすべての所得を対象とする「本格版」の税金精算システムと考えると分かりやすいでしょう。

確定申告が「必要」な人と「推奨される」人

年末調整で手続きが完了しない、または還付を受けるために自分で確定申告が必要になるケースがあります。

確定申告が必須となる主な人

  1. 個人事業主・フリーランス:給与所得がない、または給与以外の所得がメインの人。
  2. 給与収入が2,000万円を超える人:年末調整の対象外となります。
  3. 給与以外の所得が年間20万円を超える人:副業、不動産収入、雑所得などがある場合。(例:副業収入から経費を引いた所得が20万円超)
  4. 公的年金等の収入が年間400万円を超える人、または年金所得以外の所得が年間20万円を超える人。
  5. 住宅ローン控除の初年度:2年目以降は年末調整で対応可能です。
  6. 2か所以上から給与を受け取っている人で、年末調整されなかった給与とその他の所得の合計が一定額を超える人。

確定申告で税金が戻る(還付される)可能性がある人

  • 医療費控除を受けたい人:1年間の医療費の合計が一定額を超える場合。
  • ふるさと納税の寄付金控除を受けたい人:「ワンストップ特例制度」を利用しなかった場合。

年末調整だけで「済む」人の条件

以下の条件を満たす多くの会社員やアルバイトの方は、勤務先の年末調整だけで税金の手続きが完結します。

  • 給与を1か所からのみ受け取っている。
  • 年収が2,000万円以下である。
  • 給与以外の所得(副業など)が年間20万円以下である。

年末調整と確定申告の大きな違い

項目年末調整確定申告
誰がやるか会社(勤務先)が代行自分自身
対象給与にかかる所得税のみすべての所得(給与、事業、不動産など)
目的毎月の仮の税額を精算1年間の所得と税額を確定・申告・納税

税金の手続きに関して「自分は確定申告が必要か?」「還付を受けるために申告すべきか?」など、ご不明な点がありましたら、お気軽に木村会計事務所までご相談ください。経験豊富な専門家が丁寧にサポートいたします。