「下請法は大企業と下請企業の話だから、自分には関係ない」
そう思っている個人事業主の方も多いかもしれません。
しかし、2024年以降の下請法の見直し・運用強化により、個人事業主でも無関係ではいられないケースが増えています。
特に1月は、契約更新・取引条件の見直しが集中する時期。知らないまま取引を続けていると、不利な条件を受け入れてしまうリスクもあります。
今回は、個人事業主が押さえておくべき下請法改正のポイントと、1月に注意したい実務上のポイントをわかりやすく解説します。
なお、「下請法」の名称は、2026年1月1日から施行された「中小受託取引適正化法」略して「取適法」に改められました。 名称は変わりましたが、「立場の弱い事業者を守る」という基本的な考え方は変わっていません。
■ そもそも取適法(旧:下請法)とは?
取適法(中小受託取引適正化法)は、
取引上立場の弱い事業者を守るための法律です。
主に次のような取引が対象になります。
- 業務委託(制作・システム開発・デザイン・原稿作成など)
- 製造委託
- 修理委託
「会社対会社」だけでなく、
法人から個人事業主への業務委託も、条件次第で取適法の対象になります。
■ 個人事業主が特に影響を受けやすい改正・運用ポイント
① 契約書・発注内容の明確化がより重要に
近年の運用強化で特に重視されているのが、
- 業務内容が曖昧なまま発注されていないか
- 契約書や発注書がきちんと交付されているか
という点です。
口頭だけで仕事を受けている場合、
「それは契約外」「追加作業だから無償で」などと言われるトラブルが起きやすくなります。
個人事業主側も、書面での条件確認がこれまで以上に重要になっています。
② 報酬の減額・支払遅延への監視強化
取適法では、以下の行為が禁止されています。
- 事後的な報酬の減額
- 正当な理由のない支払遅延
- 一方的な条件変更
「年末年始で請求処理が遅れるから」「社内都合で来月払いにしてほしい」
こうした対応も、条件次第では問題になるケースがあります。
1月は支払スケジュールが乱れやすい時期だからこそ、
支払期限・入金状況をしっかり確認することが大切です。
③ フリーランス・個人事業主への保護意識の高まり
国全体として、フリーランス・個人事業主の取引環境を守る流れが強まっています。
取適法だけでなく、
- フリーランス新法
- 契約適正化のガイドライン
なども進んでおり、
「個人だから泣き寝入り」しなくていい環境づくりが進んでいます。
■ なぜ「1月」が特に要注意なのか?
1月は、次のような動きが集中します。
- 契約更新・条件見直し
- 新年度に向けた取引整理
- 年末に溜まった業務の精算
このタイミングで、
- 不利な条件の契約を更新してしまう
- 曖昧な業務内容のまま仕事を継続してしまう
と、1年その条件で縛られてしまう可能性があります。
「今までこうだったから」と流さず、
1月こそ契約・取引条件を見直すチャンスと捉えることが重要です。
■ 個人事業主が今すぐできるチェックポイント
1月のうちに、次の点を確認しておきましょう。
- 業務内容・報酬・支払期限は書面で明確になっているか
- 追加業務の条件は決まっているか
- 支払遅延や一方的な条件変更が起きていないか
- 不安な取引を「仕方ない」と放置していないか
少しでも違和感があれば、早めの確認・相談がトラブル防止につながります。
■ 不安な取引は早めに専門家へ相談を
取適法や契約の問題は、
トラブルが起きてからでは対応が難しいケースも少なくありません。
「これって普通なのかな?」
「法律的に問題ないのか分からない」
そう感じた時点で、
税務だけでなく、取引全体を見たアドバイスができる専門家に相談することが大切です。
木村稔会計事務所では、
個人事業主・フリーランスの方が安心して事業に集中できるよう、
税務だけでなく実務面も含めたサポートを行っています。




