公認会計士・税理士・中小企業診断士 | 木村稔会計事務所

お知らせ

2026/07/08

お役立ち情報

7月は資金繰りの見直し時期。消費税の予定納税、準備できていますか?

7月は一年の折り返しを迎え、事業の上半期を振り返る企業も多い時期です。

売上や利益の推移を確認し、「このまま順調に進めそうだ」と感じる一方で、税務面では見落とされがちな重要な手続きがあります。それが「消費税の予定納税」です。

事業者様からは、

  • 「納付書が届いて初めて予定納税があることを知った」
  • 「決算のときだけ納税すればいいと思っていた」
  • 「予定納税額が想像以上に大きく、資金繰りに不安を感じた」

といったご相談をいただくことがあります。

7月は源泉所得税の納付や労働保険の年度更新など、税務・労務に関する手続きが重なる季節です。さらに、夏季休暇や賞与の支給などで支出も増えやすく、資金繰りへの意識が高まる時期でもあります。

だからこそ、このタイミングで消費税の予定納税について理解し、計画的な資金管理を行うことが大切です。


■消費税の予定納税とは?

①一度に大きな負担にならないための制度

消費税の予定納税とは、前年に納めた消費税額が一定額を超えた事業者が、翌年度の消費税をあらかじめ分割して納付する制度です。

消費税は商品やサービスの提供時に事業者が預かる税金であり、本来は国へ納めるものです。そのため、納税額が大きくなる事業者については、一度に多額の税金を納付する負担を軽減する目的で予定納税制度が設けられています。

前年の確定した消費税額によって、

  • 年1回
  • 年3回
  • 年11回

と納付回数が異なります。

売上が伸びている企業ほど対象になる可能性が高く、「今年から予定納税の対象になった」というケースも珍しくありません。

②対象となるかどうかは前年の税額で決まる

予定納税の対象になるかどうかは、前年の確定消費税額によって決まります。

そのため、

「業績が良かった翌年に初めて通知が届いた」

という事業者様も多くいらっしゃいます。

「まだ創業して数年だから関係ない」と思っていても、売上の増加によって対象となる場合がありますので、事前に確認しておくことが重要です。


■消費税は「利益」ではなく「預かっているお金」

①手元にあるお金=自由に使えるお金ではありません

消費税で最も注意したいのは、「手元にあるお金」と「会社が自由に使えるお金」は必ずしも同じではないということです。

売上と一緒に受け取った消費税は、最終的に国へ納付するために預かっているお金です。

しかし実際には、

  • 設備投資
  • 人件費
  • 仕入代金
  • 運転資金

などに充ててしまい、

「納税時期になって資金が足りない」

というご相談は少なくありません。

特に事業が順調に成長している企業ほど、売上増加に伴って消費税額も大きくなるため注意が必要です。

②売上が増えるほど予定納税額も増える可能性があります

事業が拡大すると、

売上が増える

預かる消費税が増える

前年の消費税額が増える

翌年の予定納税額も増える

という流れになります。

「利益は出ているのに資金繰りが苦しい」という企業では、消費税の納税資金を十分に確保できていないケースも見受けられます。


■7月だからこそ資金繰りを見直しましょう

①上半期終了は経営を振り返る絶好のタイミング

7月は、ちょうど事業の折り返し地点とも言える時期です。

このタイミングで、

  • 売上の推移
  • 利益率
  • 現預金の残高
  • 今後の設備投資
  • 納税予定額

などを確認しておくことで、下半期の経営計画も立てやすくなります。

税金は「支払う時期になってから考える」のではなく、早めに資金を確保しておくことが安定した経営につながります。

②納税資金を別で管理する企業も増えています

近年では、消費税相当額を専用口座で管理する企業も増えています。

毎月売上に含まれる消費税分を別に積み立てておくことで、

「納税時に資金不足になる」

というリスクを減らすことができます。

特に予定納税の対象となる企業では、有効な資金管理方法の一つと言えるでしょう。


■消費税の予定納税でよくあるご相談

①「予定納税の通知が届いたけれど、内容が分からない」

通知書を受け取っても、

  • いつまでに払えばいいのか
  • どの金額を納付すればいいのか
  • 分割回数はどう決まるのか

が分からず、不安になる事業者様も多くいらっしゃいます。

制度を正しく理解することで、納税計画も立てやすくなります。

②「業績が悪化しているのに予定納税額が高い」

予定納税は前年実績をもとに計算されます。

そのため、

「今年は売上が減っているのに、前年と同じ水準の予定納税額になっている」

というケースもあります。

業績が大きく変化している場合には、制度上の対応が可能なケースもあるため、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

③「資金繰りとのバランスをどう考えればいい?

消費税の予定納税だけでなく、

  • 法人税
  • 源泉所得税
  • 社会保険料
  • 賞与支給

など、夏は支出が集中する時期です。

そのため、納税だけを個別に考えるのではなく、資金繰り全体を見ながら計画を立てることが重要になります。


■消費税対策は納付直前ではなく、日頃の準備が重要です

消費税は、会社が預かっている税金であるため、本来は事業資金とは分けて考える必要があります。

しかし、日々の経営に追われていると、

「納付時期になって初めて資金不足に気付いた」

ということも少なくありません。

だからこそ、

  • 納税スケジュールを把握する
  • 必要な資金を見積もる
  • 定期的に試算表を確認する
  • 資金繰りを早めに計画する

といった取り組みが、安定した経営につながります。


■木村稔会計事務所が資金繰りと税務をサポートします

消費税の予定納税は、事業が成長している証でもあります。

一方で、準備不足のまま納付時期を迎えてしまうと、資金繰りに大きな影響を及ぼす可能性があります。

木村稔会計事務所では、

  • 消費税の予定納税に関するご相談
  • 資金繰りの見直し
  • 納税スケジュールの管理
  • 試算表を活用した経営サポート

など、中小企業・個人事業主の皆様を幅広くサポートしております。

「予定納税の対象になるのか知りたい」「資金繰りも含めて相談したい」「今後の納税額を把握しておきたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

7月は、経営の数字と向き合う絶好のタイミングです。今のうちから準備を進め、安心して下半期をスタートさせましょう。