建設業にとって6月は、春先からスタートした工事が本格的に進み始める時期です。
ゴールデンウィーク明けから現場が忙しくなり、
- 毎日現場対応に追われている
- 新規案件の見積もり作成が続いている
- 職人や協力会社との調整で手いっぱい
という経営者様も多いのではないでしょうか。
一方で、忙しさのあまり後回しになりやすいのが「経理」と「数字の管理」です。
しかし建設業は、売上があっても資金繰りが苦しくなりやすい業種でもあります。
実際に、
「仕事は順調なのに資金が足りない」
「売上は伸びているのに利益が残らない」
というご相談は少なくありません。
6月は上半期の折り返しが見えてくるタイミングでもあります。今後の経営を安定させるためにも、一度数字を整理して現状を確認してみましょう。
■建設業が資金繰りに悩みやすい理由
①入金と支払いのタイミングにズレがある
建設業では、工事完了後や検収後に入金されるケースが多くあります。
一方で、
- 材料費
- 外注費
- 人件費
- 車両費
などは先に支払う必要があります。
つまり、売上は確定していても実際の入金まで時間がかかるため、手元資金が不足しやすいのです。
特に工事規模が大きくなるほど、先行して支払う金額も増えるため注意が必要です。
②売上が増えるほど資金が必要になる
一般的には売上が増えることは良いことですが、建設業の場合は単純ではありません。
案件が増えると、
- 材料の仕入れ
- 協力業者への支払い
- 現場経費
も同時に増加します。
その結果、
「過去最高の売上なのに資金繰りが厳しい」
という状況が発生することがあります。
売上だけを見るのではなく、資金の流れまで把握することが重要です。
■工事別原価管理が利益を左右する
①どの工事が利益を出しているか把握していますか?
建設業では工事ごとに利益率が大きく異なります。
しかし実際には、
- 売上だけ確認している
- 月単位でしか管理していない
- 工事別の収支が分からない
というケースも少なくありません。
工事別に原価を管理することで、
- 利益率の高い案件
- 利益率の低い案件
- 赤字工事
が明確になります。
経営改善の第一歩は「数字を見える化すること」です。
②原価の増加に気付けないケースも
近年は、
- 建築資材価格の高騰
- 燃料費の上昇
- 人件費の増加
など、建設業を取り巻くコスト環境が大きく変化しています。
そのため、
「以前と同じ見積もりを出していたら利益が減っていた」
というケースも珍しくありません。
工事ごとの原価を把握することで、適正な見積もり作成にもつながります。
■6月だからこそ確認したいポイント
①上半期の利益状況をチェックする
6月は年初からの実績を確認する絶好のタイミングです。
例えば、
- 売上目標に対する進捗
- 利益率の推移
- 工事別の収益状況
などを整理することで、下半期の戦略が立てやすくなります。
年末になってから問題に気付くよりも、今の時点で軌道修正する方がはるかに効果的です。
②資金繰りの見通しを立てる
6月以降は、
- 夏季賞与
- 設備投資
- 繁忙期への備え
など、資金が必要になる場面も増えてきます。
そのため、
- 今後の入金予定
- 支払い予定
- 借入返済
などを整理し、資金繰り表を作成しておくことがおすすめです。
③外注費の管理を見直す
建設業では協力会社や一人親方への支払いも多く発生します。
その際、
- 契約内容
- 支払い方法
- 税務上の区分
を適切に管理しておくことが重要です。
税務調査では外注費の取り扱いが確認されることも多く、給与との区分が問題になるケースもあります。
■建設業許可を持つ会社が注意したいこと
決算変更届の準備はできていますか?
建設業許可を取得している場合、事業年度終了後には決算変更届の提出が必要です。
この手続きには、
- 財務諸表
- 工事経歴書
- 各種証明書類
などが必要になります。
決算申告だけでなく、許可維持のための手続きも忘れずに進めることが大切です。
■数字を把握する会社ほど経営が安定する
建設業では現場の経験や技術力が非常に重要です。
しかし、どれだけ良い仕事をしていても、
- 利益が出ているのか
- 資金は足りているのか
- どの工事が儲かっているのか
が分からなければ、安定した経営は難しくなります。
反対に、数字をしっかり管理している会社ほど、
- 適正な見積もり
- 健全な資金繰り
- 安定した利益確保
が実現しやすくなります。
■まとめ|6月は建設業の経営数字を見直す絶好のタイミング
6月は現場が忙しい時期である一方、上半期を振り返る重要な節目でもあります。
だからこそ、
- 工事別利益
- 原価管理
- 資金繰り
- 外注費管理
などを見直し、経営状況を把握することが大切です。
「仕事は忙しいけれど利益が残らない」
「資金繰りに不安がある」
「数字を見たいけれど何から始めればいいか分からない」
そんなお悩みがありましたら、木村稔会計事務所までお気軽にご相談ください。建設業に特化した税務・経理サポートを通じて、安定した経営をお手伝いいたします。




